最高の結婚 / サマンサ・ジェイムス

本の感想, 作者名 さ行サマンサ・ジェイムス

侯爵令嬢ジュリアンナは、とある事件がきっかけで婚期を逃し、気ままに令嬢生活を満喫していた。ある日、バースの別荘に乗合馬車で向かう途中、噂の盗賊「カササギ」に馬車が襲われる。不幸な偶然が重なり、カササギの隠れ家に身を寄せることになってしまったジュリアンナは、カササギに惹かれて始めて……

(きょうだい)仲良きことは美しきかな!

スターリング兄妹物語三部作の完結編で、末の妹ジュリアンナの物語。長兄・次兄(あ、次兄は感想書いてないわ)のお話にちょこちょこ登場してきた、素敵なお嬢さん(ただしいろいろ過去に傷があるらしい)で、どんな子なのかなぁと思っていたんですが……侯爵令嬢のわりにフットワークが軽く、そして元気で気の強いよいお嬢さんでした!
盗賊「カササギ」の正体については、次兄物語の訳者後書きでバラされてるのでまったくドキドキもワクワクもなかったんですが(いつもそれほどネタバレ気にしない方なんですが、なんというか、公式にそのネタバレはないやろう……と思った。これはコレくらいしかないだろうというオチなんだけど)、身分差考えて悶々とするのは王道でありながらもよいですね!

物語全体のオチとしても、三部作を閉めるがごとくの思わぬ方のご登場にびっくり。このあたりはもうちょっとがっつり陰謀解明をしていただいても良かったかなぁ、とか、後半の駆け足気味なところはもったいないかなぁ、などと思いましたが、全体的にはとてもロマンス。そして、ここでもキャリントン公爵未亡人の無双ぶりがすごい。すーぱー未亡人。

この三人きょうだいの物語、さくっと読めて結構お薦めです(特に、長兄と妹の話は好きだ)。お兄ちゃんたちと妹の仲の良さが素敵で、苦労性のお兄ちゃんにとてももえる。ただし、業界用語で言うところで結構「ホット」なところがあると思いますので、苦手な方はお気をつけて……。

img最高の結婚
サマンサ・ジェイムス/清水由貴子(訳)
ソフトバンク文庫(2008/09)
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