桜嵐恋絵巻 / 深山くのえ

本の感想, 作者名 ま行深山くのえ

二条中納言の姫・詞子は、災いを呼び寄せる姫として中納言家で腫れ物のように扱われ、そしてある事件をきっかけに白河の別邸に引き篭もることを自ら選択する。そして、家の者からの嫌がらせから解放され、別邸生活をある意味楽しんでいた詞子の前に、ある昔年貴族が迷い込んできて……

おお、1巻からなんというラブっぷり。

いろいろ良い評判を聞いていたんですがタイミングが合わず、積んでおりましたがようやく手を出しましたよ!の平安時代を舞台にした青年貴族とお姫様のラブストーリー第一巻。平安時代とはいっても、わりと「なんちゃって」感が強いように思いますので……まあ、雰囲気だ雰囲気。こういうの大好きなのでとてもおいしく頂きました。

雅遠のまっすぐさと詞子の健気さがまぶしくて、素敵なお話でした。これは癖になる。癖になるといえば、憎まれ役まっしぐらの妹君の艶子さん、この子はきっとデレるに違いない!と思っていたんですがその徴候すら見えず。長編シリーズだし、きっといつかデレることに期待したいと思います。

シンデレラ的ストーリーといいますか、「実家でいじめられていたけどヒーローと出会って幸せに暮らしました」、というところが根本かと思うのですが、そこまで簡単にたどり着けそうにありません。まだまだ波乱が続きそうなので続きも楽しみにしています。

img桜嵐恋絵巻
深山くのえ/藤間麗
小学館ルルル文庫(2008.08)
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