藤陵学院の花嫁 万葉の桜と雷の太刀 / 西本紘奈

本の感想, 作者名 な行西本紘奈

父親と二人暮らしの苦学生・真十は切り裂き魔に襲われていたところを、藤原史と名乗る男子高生に助けられる。真十本人が気づいていない力に目をつけた史は、真十を守ることと引き換えに、彼女を半ば強引に彼が理事として名を連ねる名門・藤陵学院に転校させる。藤陵学院は平安時代から続く異能集団のための学園でもあり、史のために真十は修行を積むことを約束するが…

真十ちゃんが前向きで面白いな。

お、珍しい現代日本もの(異能)!と手にとってみた新シリーズ。妙に前向きなヒロイン真十が面白かったお話でした。ヒーローポジションの史さんも、オレ様過ぎたらどうしようとちょっと心配だったんですが、上に立つものとしての面倒見の良さと責任感の強さからくるオレ様でかっこ良かったですね。口調はちょっと笑っちゃいますが。
こう、なんと言いますかちょっとごちゃごちゃっとしていて説明しにくいんですが、ほぼ男子校状態の全寮制の高校に突然編入させられたヒロインが、自分の力を徐々に使いこなすまでにいろいろありそうだけど、力以外にもなんだかいろいろ謎がありそうだよ!というお話ですね。まだ始まったばかりで藤原と敵対する組織に真十の父親の謎さなど、いろいろ気になる所があるんですが、一番気になったのは「奈良が舞台なのにみんな口調が標準語すぎるよ!」っというところとか、関西人的に引っかかりました(笑)。いや、これでみんな関西口調で喋られたらそれはそれで引っかかりすぎて困ることは確実。

img藤陵学院の花嫁 万葉の桜と雷の太刀
西本紘奈/さらちよみ
角川ビーンズ文庫(2011.12)
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