妖精令嬢の恋のからさわぎ2~薔薇乙女は月影におちる~ / 朝前みちる

本の感想, 作者名 あ行朝前みちる

憧れのライアンの後妻に収まるためにライアンの呪いを解いたフェイだが、混乱のさなか結婚はのびのびとなってしまう。ライアンの息子(フェイの義息子予定)でフェイの幼なじみのエセルは責任をとってフェイと結婚すると言い出す始末。なかなか事態の収集が付かない中、父親との冷戦状態に突入してしまったフェイは父親が事情を説明してくれるまで折れないと薬屋に籠城することにする。

全部丸く納めての後日談、とも言えなくない完結編。ご苦労様でした。

あこがれの人のかっこいい姿を見ると実際に奇声を上げてしまう変なヒロイン・フェイと、幼なじみに恋するもののその幼なじみは自分の父親しか見ていないというなんとも不憫なヒーロー・エセルの物語の完結編。エセルが不憫でこじれてるけどまだ病んでるところまで行ってないのが救いかな、と思ってたら十分病んでました。あのフェイを追いかけ続けたらこうなっちゃうのかなーとご愁傷様としか言いようがないですが、丸く収まって良かったです。そしてエセルの事になると急に鈍感になるフェイに「これが(ある意味での)ヒロイン力というものか」と感心しました。

初登場で色んな意味で強烈な存在感を残したフェイのお姉さんがすごかったです。貴婦人の鑑と思わせておきながら、この物語の中で最強であることは疑いようのない事実だと思いました。

妖精令嬢の恋のからさわぎ2~薔薇乙女は月影におちる~
朝前みちる/文月路亜
ビーズログ文庫(2015.08)
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