契火の末裔 / 篠月美弥

本の感想, 作者名 さ行篠月美弥

精霊の国の次期盟主(ルマ)の補佐役として、彼の外遊につきそうティーダは、次期盟主(ルマ)の命により理化学の町キサを単独で視察することになる。そんなキサ滞在中のティーダに、次期盟主(ルマ)が単独で本国に帰ったことと、そしてティーダが取り残されたことが知らされる。急いで隠密に本国に戻ることになったティーダだが、付き添いの護衛はうさんくさい男一人、そして信用のおけるはずの同国人に命を狙われる事態に陥る。


C-Novels大賞・特別賞受賞の新人さん(2人目)。

精霊の不思議の力が旺盛な中、徐々に理化学も発展してきている世界で、頼りなかった皇子様が陰謀渦巻く世の中を力強く乗り切るお話でした。

上の意味不明なあらすじを読んで頂けるとわかりますように、私のお気楽読書スタイル(つまり、てきとー)では物語の外観をつかむのに非常に苦労しました。もう初っ端からついていけてない……。国の関係やそれぞれの役職につけられた名前やらそこらへんがなかなか頭に入ってこなくて(これが一番辛かった)……。主人公以外はだいたい腹黒いし……。ようやく全体を何となく把握できた頃にはほぼ物語が終わっていたという不思議。もうちょっと頭を使って読む必要があったように思います。

まあ、そんなわけでかなり序盤から躓いたので、主人公ティーダの成長物語として読もうと早々にターゲットを絞って読んでいたんですが、これがなかなか。世間知らずのティーダが荒波(?)にもまれ、成長していく様はベタながら良いお話でした。無力だったのに、成長して最後には、というのはやっぱり燃える展開です。どんでん返しは読んでいて爽快です。

img契火の末裔
篠月美弥/鹿澄ハル(イラスト)
ISBN : 9784125009933
中央公論新社C-Novels Fantasia(2007.07)
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