ソフィアの宝石―乙女は、降り立つ― / 渡海奈穂

本の感想, 作者名 や~わ行・他渡海奈穂

突然の事故で唯一の身よりであった父を失ったリディアは、母の実家である公爵家に引き取られる。根っからの平民育ちのリディアにとって貴族の生活は苦痛でしかなく、新しい家族ともソリの合わない日々を過ごしていた。学校に通うことを許されたリディアは、そこでようやく友人と呼べる存在とであう。彼女の恋を応援するリディアだが、とんでもない事件に巻き込まれ……


普段はBLなお話を書かれているらしい作者さんの乙女向きな新作シリーズ。ある日急に貴族社会に放り込まれつつも自分を見失わず、ゴーマイウェーで頑張る女の子のお話でした。

ヒロインのリディアがとにかく元気で強くてある意味で気分爽快な存在。健気といえば健気なんでしょうが、その男前な性格のお陰で健気と言う形容詞は似合いません……。そんな彼女に徐々に慣らされていく従兄殿の様子が面白かったです。いつでも紳士たれという彼の姿勢もかっこよかったですけどね。
他には、リディアに感化されて新たな一歩を踏み出そうとするファリカちゃんは思わず応援したくなりますし、従弟君とその親友とリディアの交流も味があってなかなかよろしかったです。よくよく考えてみると軽く逆ハーレム状態ですが、普通に考えるとリディアのお相手は従兄殿かなぁ?対抗馬で従弟君親友。

まったり目にリディアが頑張るお話かと思いきや、リディアの持つ不思議な力やなんやらがこれから国を動かす大事件を巻き起こしていきそうな展開。リディア母になにやら大きな秘密がありそうな。今回はお話だけでてきた従兄殿の主の王子様や、顔見せ程度だった公爵家の奥様など、今後物語にどう絡んでいくのでしょうか。

imgソフィアの宝石―乙女は、降り立つ―
渡海奈穂/笛吹りな(イラスト)
B’s -LOG文庫(2007.08)
ISBN:978-4-7577-3679-5
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