図書館危機 / 有川浩

本の感想, 作者名 あ行有川浩

手塚兄の「いやがらせ」のお陰で憧れの王子様の正体を知ってしまった郁は、まともに堂上と目を合わせられない苦難の日々を送っていた。ある日、小牧の逆鱗に触れる事件が発生し、囮捜査で痴漢撃退に乗り出す事になった面々だが……(王子様、卒業)


短編5話(そのうち、4・5話が続き物)収録の図書館シリーズの現時点での最新刊。前回は郁の絶叫で終わりましたが、そのあとどうなったかというと……、王子様卒業宣言で幕開けです。今回もメチャクチャ面白かったです。らぶ~、らぶこめ~。

郁の胸キュン具合が非常に良く伝わってきて良かったです。かわいいなぁ、郁。やっぱりらぶこめはいいなぁ。一人で悶々と意味不明な行動を取り、自分の胸キュン具合にツッコミを入れつつテンション高めに悩む郁と、それに振り回されている堂上が楽しかったです。二人とも不器用で、見守りモードに入っている面々と同じように楽しむことができました。そして、堂上の見せるシリアスなかっこよさも良かったですね。「小さいけれど大きな背中」の堂上は本当にかっこよいです。

一方、微速前進気味の気配を見せた手塚と柴崎んもほんのり注目。お互いに微妙な距離感を維持しつつ、なんのかんので絡んでいる様子を見るのは楽しいですね。

今回はラブコメ要素以外にも1巻以来の大攻防戦にも手に汗を握りましたが、その結末がタイトル通り「図書館の危機」とも取れる不安なものだけに、最終巻がどうなるかとても楽しみです。11月発売予定とのことで待ち遠しいです。

img図書館危機
有川浩/徒花スクモ(イラスト)
メディアワークス(2007.03)
ISBN:978-4-8402-3774-1
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