宝塚-月組 / A-“R"ex
月組のシアタードラマシティ公演『A-“R”ex―如何にして大王アレクサンダーは世界の覇者たる道を邁進するに至ったか―』を見てきました。
さ、サブタイトル長い……、そしてその通りのお話でした。とにかく全編通してド・シリアスな話でした。
以下、今回のお話は私の感想の書き方だと書くことないなぁと思いながらの中身のないもれなく若干ネタバレしてるような気がする感想は続きに。
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一言で言うと「東方遠征するアレクサンダー大王、そして大王にまとわりつくアテナ(ニケ)とディオニソス(注:マケドニアの土着の神様)が語る東方遠征のその理由」のお話でした。
最初にも書いているようにとにかくシリアスなお話で。前情報からアレクサンダー大王の話なのに何故かベトナム戦争とか訳のわからない中途半端な知識があったのですが、知識なしで見た方が混乱しなかったかもしれません。大王の最初の衣装がまるで△走族のヘッドだったりモブが総じてヒッピーだったりとこれは世紀末救世主伝説かと思わず突っ込みたくなりましたが、全体としてこんな感じなのでもう突っ込むのも無意味。なんとなく現代風なアレクサンダー大王のお話と自己完結することにしました。
最初から最後まで大王が存在する理由、戦う理由を問うものですので、それぞれの登場人物との会話が非常に印象的。特に大王とその母親オリンピアスのシーンは迫力もありすばらしかったです。オリンピアス役の方はこの演目で退団とのことで、非常に残念だなぁと同時に感じました。
他はですね、やっぱり、怪しさ大爆発の霧矢さんディオニソスが印象に残っております。最近の霧矢さんの役所といえば愉快な人物しか見てきてなかったのでここまでシリアスかつ妖艶に怪しい神様というのも新鮮でした。そして、個人的追っかけポイントのアテナ役の出雲さん。やっぱり今回も素敵に迫力のある存在感と歌声でした。
タンバリン抱えたニケ訳の彩乃さん。勝利の女神らしく笑顔でさわやかにえげつない歌を歌われます。神様然とされている部分と、徐々に人間っぽくなっていった所のアンバランスさがよかったですね。
ヘッドからはじまる瀬奈さん七変化は、それは本当に同一人物かと疑問に思うほど雰囲気が変わっていたので衣装というのは大事だな、と感じました。どの瀬奈さんもかっこよかったんですけど、やっぱり軍服~(タカラヅカ的軍服大好き)。今回は色目がちょっと派手だったけど、やっぱり軍服~。
と浮かれまくっていますが、かっこよさにおちおち浮かれてはいられないほど苦悩する大王が涙を誘います。なんか、切ないなぁ。最後はある意味ハッピーエンドかなぁと感じましたが、あそこまで行くならいっそ無理にハッピーエンド(?)にしなくても良かったのではないかと思ってしまったりしましたが。
私は特に深く物事を考えながら観劇するタイプではないので、今回はその観劇方法が通用せず若干苦労しましたが、同行人は今作はツボだっ!とおっしゃっていました。非常にメッセージ性の強い作品で、今まで見た作品とはだいぶ毛色が違い新鮮に感じました。こういう新境地の作品も、いつもと違ってそれはそれで楽しかったです。
そして、今日は本拠地がお休みということでなんか皆さん観劇に来られていたのにビビリました。姿勢の良さと髪の毛の色の派手さで何となくすぐわかります(笑)。愛しのあの方はお昼の公演にいらっしゃったという情報をキャッチし(情報源:隣に座ってた本日二回目観劇のお姉さま(注:全く見ず知らずで何となく意気投合した))、悔し涙を流したのはここだけの話です。