身代わり伯爵の決闘 / 清家未森

本の感想, 作者名 さ行清家未森

フレッドの知り合いのご令嬢・シャルロットに脅されて兄の代わりに乙女の乙女による乙女のための乙女劇団を立ち上げることになってしまったミレーユ。次第に劇を作り上げることを楽しむようになったミレーユはシャルロットの恋を成就させるために一肌脱ぐことにするのだが……


ビーンズで一番お気に入りシリーズの身代わり伯爵第4巻。初っぱなからリヒャルトとばしすぎで人前ではこの本読めませんっ!状態のスタートでした。それを乗り越えたらまだわりと普通なのですが(要所要所にニヤニヤ要素はちりばめられているとはいえ)。このやりとりが実は一方に巧妙にスルーされてるなんて誰が信じられましょうか。最初の数ページですでにお腹いっぱいです。

物語自体は第二幕への前置きという形で、乙女劇団に情熱を燃やす乙女たちを表舞台に、そして裏ではシアラン関係できな臭いものがちょこちょこと。
乙女劇団関係はどこのどれとは言いませんが某歌劇団を彷彿とさせるものがあって何となく楽しかったです。こちらは娘役さんの方が強そうですが……、男役トップスターな女王様、いつか出てこないかなぁ。リディが女王様と一緒に追いかけていた夢というのには思わずつっこみそうになりましたよ、はい。ミレーユもセシリアも楽しそうだったので、乙女劇団が劇を作っていく過程は読んでいてわくわくしました。そして、フレッドのアホさを改めて確認しました。○○と天才は紙一重を地でいく人かもしれません。
シアラン関係はかなり入り組んでいるようで、いろいろと今まで小出しに出されていた情報がミスリードだったのかな、それとも今回がミスリードなのかな、と疑心暗鬼に陥りそうです……、が生来深く考えないたちなので素直に続きを待つことにします。

ラストはラストでいっちゃいなよーと無責任なヤジを飛ばしたくなるリヒャルトさんに胸キュンです。第二王子もエントリー確定なミレーユの恋模様とシアラン関係の展開といろいろとますます続きが楽しみ。

身代わり伯爵の挑戦

img身代わり伯爵の決闘
清家未森/ねぎしきょうこ
角川ビーンズ文庫(2008.04)
ISBN:978-4-04-452404-3
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