アンゲルゼ 最後の夏 / 須賀しのぶ

本の感想, 作者名 さ行須賀しのぶ

「未孵化」の能力の検査と訓練のために陽菜は夏休み中軍の施設に泊まり込むこととなる。湊以外の未孵化の仲間・有紗にも出会うが、有紗は陽菜に対して冷淡であった。過酷な訓練を経て最後に湊たちと模擬戦に参加する陽菜であったが……


眼鏡祭りが絶賛開催されたらしいアンゲルゼ第二巻。青春、ビバ中学二年生の青春!というような今回も順調に青春物語でした。もーちゃんを応援するよ私は!ともーちゃんに肩入れすることを固く誓った第二巻でもありました。敷島さんのつかみ所がやっぱりわかりません。謎なおっさんです。
若干腹をくくったために陽菜のうじうじ度が緩和され、読むのも多少楽になりましたがやっぱり青春はぐるぐるです。そして陽菜たちの成長の姿と同時に明かされる「アンゲルゼ」と「未孵化」関連の謎や世界の直面している問題など骨太な展開はさすがだなぁと。でも、この壮絶な状況の最前線に立たされるのが陽菜をはじめとする学生さん世代なのだと思うと非常に過酷な世界です。そしてまた今回のサブタイトルが非常に不吉で、須賀さんといえば容赦ない展開、というおもしろいんだけど容赦してあげてと思うような展開が待ち受けていそうで続きが楽しみなような怖いような、です。

imgアンゼルゲ 最後の夏
須賀しのぶ/駒田絹
集英社コバルト文庫(2008.06)
ISBN:978-4-08-601172-3
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