宝印の騎士3 / 西城由良

本の感想, 作者名 な行西城由良

「宝印の騎士」の宝印を刻印してしまったスラム出身のノイルは、人々の反感をおそれ一人を出奔することを決意する。しかし、ティフェールとウィリップに裏切られたと思いこんだノイルは二人と喧嘩別れをしてしまう。同じ頃、人工宝印の出所を探ろうとノイルの担当教官であるモグラがのらりくらりと敵の懐に入り込もうと画策して……


宝印の騎士最終巻。レディ・チッチリーナ(うさぎのようなもの)が最強でとてもかわいかったです。まさか頼りがいのある戦力になろうとは。もうレディが主人公でいいんじゃないかと一瞬思ってしまった読者その1です。

さて、三人の友情の行方と人工宝珠事件の顛末は……ととても気になることがきれいに片付きました。ノイルが宿した「宝印の騎士」の秘密など少しもの悲しいものがありましたが、ノイル達なら同じ過ちは繰り返さないだろうな、と最後まで読むと少し安心できる結末で、いいものを読んだ気分です。
あとは、ウィリップのご家族が妙によかったです。いえああいうタイプのお姉様が好みというかなんか好きというか思わず目が行ってしまうと思いますが。登場がこの巻だけなんてもったいないなぁ(しかしこの巻だけだからありがたみが増すという説もある)。ティフェールのご家庭の事情もそれなりに片付き、まさに大団円の最終刊でした。

男の子だけじゃなくてかわいい女の子にも期待できる作者さんなので(感想には書いてないけどノイルの幼なじみシィちゃんがとてもかわいい)次回作も楽しみ。

img宝印の騎士3
西城由良/窪スミコ
新書館ウィングス文庫(2008.08)
ISBN:978-4-403-54129-2
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