≪審判≫はレクイエムを歌う 真・運命のタロット4 / 皆川ゆか

本の感想, 作者名 ま行皆川ゆか

核実験場に設置された謎の装置「メデューサの首」。その装置の中にプロメテウスの協力者・ラスプーチンの亡骸が組み込まれていることを知った≪女教皇≫たち。メデューサの首の秘密を探るべく、≪恋人≫たちと文華と共に婦メデューサの首に潜入する≪女教皇≫だが、そこではラスプーチンの罠が待ちかまえていた。


真・運タロ第4巻はカザフ編のクライマックス間近のお話で容赦ないーと唖然としてしまう展開が始まっています。こう、評判を聞いた(読んだ)限りさらに辛い展開が待ち受けているそうで……いったいどこまでティーンズハートらしからぬ展開にいくのやら(というか、もう運タロの時点でティーンズハートらしからぬ展開てんこ盛り)。

立ち位置が若干謎のティターンズの精霊≪力≫と≪審判≫ですが……「改変」を阻止するためなら手段を選ばないタイプのポジションみたいですね。この二人の謎っぷりをみるに、表ラスボスは田村、しかし裏ラスボスは≪力≫と≪審判≫だった!的展開を予想してみました(……このシリーズ、単純に敵とか味方に区別できないんですが)。
カザフ編に入ってからは「改変」を阻止することが果たして本当に正しいことなのか、というティターンズとプロメテウスの根本にかかわる部分もクローズアップされており、その狭間で揺れる≪女教皇≫の抱えるやるせない思いというのも読んでいて辛いものがあります。

img≪審判≫はレクイエムを歌う 真・運命のタロット4
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社X文庫ティーンズハート(1997.12)
ISBN:4-06-199768-9
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