そして花嫁は恋を知る 大河は愛をつなぐ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

ネプティス王国で女でありながら近衛兵を務めるナルメルは、なりゆきで総督府の長官としてやってきたブラーナの皇子のアリアスの護衛となる。仕事に対してやる気を見せないように思われたアリアスだが、ナルメルに触発されたアリアスは……

女兵士と王子様のお話。

「紅の沙漠をわたる姫」の後の世界を描いた掲題作の中編と、「紅の~」の前日弾のコバルト本誌掲載分「草原の女王」の二本立て。

メインの「大河は愛をつなぐ」は外伝というだけあり、いつもと組み合わせのパターンが違って新鮮でした。しっかり者の女兵士と、過去にいろいろあっていいかげん生活を決意した皇子様ってなんておいしい組み合わせ……!しかし感想は書きにくい!いつもながらほぼ政治方面系の固い部分がメインで甘い部分はほんのひとさじ、でしたがこのぴりりとしたものの中にある甘さがよいですね。征服される立場とする立場、そして統治される立場と為政者の立場からと、それぞれ違った立場から、違った立場ゆえに惹かれ合うとかこの胸キュンな展開がたまらない。本編の後日談なので、本編の主人公達の息吹が折々に感じられるのも良かったです。
もう一本の短編は、ヒロインの男前なところがとても気に入りましたが、彼女はその後幸せになったのかなぁとかいろいろ妄想してしまいそうです。

imgそして花嫁は恋を知る 大河は愛をつなぐ
小田菜摘/椎名咲月
集英社コバルト文庫(2010.02)
ISBN:978-4-08-601378-9
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