悪魔のような花婿 遅れてきた求婚者 / 松田志乃ぶ

本の感想, 作者名 ま行松田志乃ぶ

地方の権益を狙う王家に対抗するため、西部有力貴族が悪魔城に集結する。何者かが放った魔術で子どもの姿から戻れなくなってしまったウィリアムに代わり、弟のヴィヴィアンがウィリアムとして客をもてなすことになる。

いろんな意味でコバルトの限界に挑戦してるのとちがうかこれ……

呪われた伯爵様ウィリアムとそこに嫁いできたジュリエットのベタ甘ながらも背後でうごめく陰謀てんこもり、と甘さと辛さが何とも言えないバランスで同居しているシリーズ第二弾。これはコバルトの限界に挑戦しているのではないのか、と思わず考えてしまったベタ甘描写にじゃっかんむねや……いや面白かったんですが。新登場のあの人やこの人も一筋縄でいかないと言いますか、変人奇人の集まりで(まともな人もいますが)思わず唖然。

王家の手先は誰だ、というミステリー分と、王家への対応はどうするんだ、という陰謀分が面白かったです。わたし好みの宮廷陰謀モノに仕上がっていることは確かなんですが、ラブ分が若干供給過剰で読むのが多少つら……くなってるとかなんとか……。しかし、この件についてまだ決着が付いていませんので、続きも待ってます。

img悪魔のような花婿 遅れてきた求婚者
松田志乃ぶ/有村安息日
集英社コバルト文庫(2010.11)
bk1/amazon