輪の姫の物語 / 高瀬美恵

本の感想, 作者名 た行高瀬美恵

バイロフ王国の王女オリガは、地護神と話すことのできる<輪>の力の持ち主であり、父王が定めた結婚を間近に控え憂鬱な日々を過ごしていた。そして、ついにやって来た婚約式で初めてまみえた婚約者であったが、オリガはある計画に巻き込まれ連れ去られてしまう。一方、オリガの弟ユーリ王子は、父に疎まれ鬱屈とした毎日を過ごしていたが、唯一の庇護者であるオリガが結婚のために城から去った後、ある事件が勃発する。

弟君サイドが面白かったです。

神様みたいな不思議な巨大動物(大きな羊とか大きな鹿とか大きな鳥とか)と喋ることのできる力を持つお姫様と、彼女を利用して誰も足を踏み入れたことのない北の地に行こうとする盗賊のファンタジー。
もふもふの巨大生物かわいいっ!秘められた「北」の秘密とはいかにっ!王子様の一発逆転なるかっ!盗賊と姫君の恋の模様は?といろいろおいしい内容をぎゅっと詰め込んだ上下巻。個人的には弟君と楽しい盗賊達サイドが好きです。少しずつたくましくなっていく弟君がかわいかったな。

基本はかなり好みだったんですがなんというかハイスピードすぎるというか、姫君サイドがあんまり燃えられなかったのでちょっと消化不良感がのこるとかなんとか。……姫君と盗賊の恋模様にまったく食指が動かなかったんだ……おかしい普通このシチュエーションはバッチカモーンなはずなのに……。それに反比例するが如く、憎まれ役というか究極のヘタレっぽいパーセル様が結構好きだったりします。ここの三兄弟、絶対面白いと思うわ。パーセル様には是非とも幸せになっていただきたい。

img輪の姫の物語(上)
高瀬美恵/輝竜司
幻狼ファンタジアノベルズ(2010.09)
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img輪の姫の物語(下)
高瀬美恵/輝竜司
幻狼ファンタジアノベルズ(2010.10)
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