わたしの黒い騎士 / リン・カーランド

本の感想, 作者名 か行リン・カーランド

唯一の庇護者であった兄を失い、父に虐げられているジリアンは黒い竜などと呼ばれ世間から恐れられているブラックモアの領主クリスファーの元に嫁ぐ。クリストファーに殺されると信じ込み、かといって実家にも帰ることのできないジリアンは決死の覚悟でこの結婚に臨む。

これが13世紀のイングランド、なのか!

海外ロマンス小説を読んでみようではないか企画第2弾くらいで読んだ作品。前回と同じくおおむらさんおすすめの作品です。まずは、手にとってその分厚さにびびりまくりましたが(ほら、翻訳小説って結構分厚いよね……)、ちょこちょこ読み続け、読了。

私、この本をロマンス小説と言うよりも「13世紀イングランドの騎士は結構ワイルドだったよ物語」として読んでいたように思います。そんなに詳しくないんですが、なんというか、映画とかでこの時代のイングランド(だけとは限りませんが)の描写をみて、わいるどーと思いながら見る、みたいな。みんなかなり筋肉バカっぽいし、粗野だし、直情的だし、すぐ殴り合いだし(笑)。あと、ロマンスなシーンも朝チュンなみだったしなぁ。読みやすい。
おびえまくるジリアン、そしてとある事件から女なんてもうどうでもいいやといろいろなげやりで、しかしながらジリアンの謎の行動に苦慮するクリストファーとふたりのぎくしゃくしたやりとりが面白く、そして想いが通じ合ってからの「反撃」は面白かったです。これだけ分厚いのに、主要な登場人物がそんなにいないので描写も濃いという寸法です。

続編として、クリストファーの親友で殺戮者とか酷い言われようのコリンを主役としたお話がございまして、スタンバイ完了しております。。どう考えてもコリンから愛のメロディが発生するように思えないのですが、あるものはあるので発生してるんですね!ぼちぼち読んで行こうと思います。

imgわたしの黒い騎士
リン・カーランド/旦紀子
ラズベリーブックス(2007.10)
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