はなあそぶ~淵国五皇子伝~ / 古戸マチコ

本の感想, 作者名 か行古戸マチコ

奇跡の実によって三人の皇子の呪いを解いたカナンは、善都の結婚を目前に控えていたが、皇帝がカナンたちに「最後の賭け」を持ち出す。カナン、晃、そしパフュームの体に呪いの解けた皇子たちの母親が乗り移るかもしれないという異常事態に対し、五華園に五皇子たちの取った行動は…

「家族」の物語でした。

呪われた五人の皇子さまと、植物を成長させる不思議な力をもつ女の子のお話の4冊目にして最終巻。長男の善とカナンの恋物語を軸に、ちょっと逆ハーレム状態だけど最後は二人でゴールイン!というお話かと思っていたんですが、最後は皇帝一家の「家族」の物語でした。

いろいろとオブラートに包みつつ、「呪い」の真相のあたりはドロドロしていそうだ殺るか殺られるかの世界だ!と戦々恐々としていたんですが、お母さんたちの「本音」が出だしてからは結構大変で崖っぷちの状況なのに妙に和んでしまいました。夜星母さん、ワイルドだなぁ。
途中まで、カラーピンナップは「殺伐としているからこれくらいは和ましてあげよう」というファンサービスかと思っていたんですが、そんなことなくてよかったです。
呪いのお陰で実母とほとんど触れ合ったことのない各皇子たちの母親との邂逅が、これまた!ベタですが律さん母息子の組み合わせが一番好きです。

パンダ仮面とか天然タラシの律くんとか、カナンと善のじれじれっぷりとか、パヒュームと啓くんのこのツンデレめ!という関係とかいろいろ最後までとても楽しめましたが、が。カナンさん、もうちょっと怒っても良かったと思うよー!

imgはなあそぶ~淵国五皇子伝~ / 古戸マチコ
古戸マチコ/鳴海ゆき
一迅社アイリス文庫(2011.12)
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