異玉の騎士 四界物語2 / 黒川裕子

本の感想, 作者名 か行黒川裕子

海賊ネルヴァーリの一味に身を寄せるシルッカと流浪の公子リンゼイ・ヴォーだが、帝国に立ち向かう海賊達の中、帝国に利する行動を取った公子は投獄されてしまう。一方、様子のおかしい竜のファティオータの騎士として、引き続き戦場に出るシルッカは、ファティオータの圧倒的な力を前に彼女と離れる事が最善の策だと考えるようになる。

コンビはいいものだ。あと、ラブ虎の王様もいい(鉄板)。

一つの大陸と千の島を舞台にした異世界ファンタジー。相変わらずあらすじを書いていて文才のない自分が非常にもどかしいのですが、作り込まれた世界が魅力的な物語です。

今回は、皇帝の化けの皮がはがれるのと、シルッカが悩むのと、公子が成長するのと、公子に新しいお友達ができたのと、と盛りだくさんでした。中盤くらいまではシルッカがティーちゃんの力に萎縮し、状況に流されるだけかつ俺様公子様が精彩を欠いていたので若干ストレスのたまる展開でしたが、シルッカと公子が「オファン」(いわゆる「バディ」)の絆を深めだしたところあたりから、この展開を待っていました!とばかりの(個人的な)ワクワク展開の連続で面白かったです。虎の王様、素敵だ。こういうおおざっぱで男気があってちょっと子どもっぽいけど、思わずついて行っちゃう王様(オプション:苦労性の側近)っていいよね。わかりやすくてすいません。

前回の悲劇で復讐の鬼と化したあの人と、あの子の一瞬の邂逅にやるせない思いになりつつ、甘えん坊のティーちゃんとシルッカの新たな絆にちょっとほっとしつつ、シルッカ争奪戦の行方が気になりま……いえもちろん世界の行き着く先も気になりますよ!続きも期待。

img異玉の騎士 四界物語2
黒川裕子/黒葉.K
C-Novels Fantasia(2010.11)
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