夢の宮~薔薇の名の王~ / 今野緒雪

本の感想, 作者名 か行今野緒雪

鸞の宰相の次男坊・山樝は、夢の宮から出られないはずの王に見込まれ、お忍びで麓国に行くという王の警護を務めることになる。麓王から花嫁を貰うという鸞の王らしき人物は、月季と名乗るなにやら不思議な少年。山樝は次第に月季に惹かれていき……

いやいやこれはこれは(意訳:おもしろかったです)。

今回はコンビものになるのかな?と思ったら思わぬどんでん返しの夢の宮でした。いやいやこれは、はっはっは。タイトルがタイトルだし、まさかこのタイトルはあれを暗示しているのか!と途中でそっち方面進むかと思っちゃったよ!言われてみればあれこれ伏線あったのに全然気付かなかったですよいやー、面白かったです。この終わり方は良いですね。

今回は、ちょっと明るめの「夢の宮」。これはひとえに宰相一家の適当というか、おおらかさぶりが原因かとは思いますが。今までにない「夢の宮」のヒーロー山樝さんが面白かったです。悩め、青年!という展開が結構好きです。腕っ節が強くて頼れる兄貴なんですが、実はやっぱりちょっとヘタレっぽいのもなんだかいいなぁ。

この夢の宮もわりとお気に入りの一冊となりました。

img夢の宮~薔薇の名の王~
今野緒雪/波津彬子
集英社コバルト文庫(1995.12)
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