フォーチュン・オブ・ウィッカ5 タロットは運命をためす / 月本ナシオ

本の感想, 作者名 た行月本ナシオ

魔女の住む街ドロップパレスが『黒の七星旅団』に襲われたという報を受け、アイリたち対策室の面々はドロップパレスに向かう。ダリウスは旅団の襲撃により破損したドロップパレスの七聖守護物「ダァトの目」を急遽現地で修理する事になったが、ダァトの目のもつ力によりダリウスとアイリの過去が明らかになり…

は、ハイヅカー!(またか)

超幸運娘と超不幸青年の愉快なコンビを筆頭に、個性的なメンツが顔を揃える対策室のアレコレがおもしろいシリーズ第5巻にしてクライマックス直前巻。わたし、1月の新刊見るまで最終巻との連続刊行って知りませんでした!えらい所で終わっているので連続刊行はいいことだ。

それはともかく、お話はクライマックス直前らしく、次々に明かされる過去の因縁に隠された真実が盛りだくさんで息つく暇がありませんでした。まさか、ルジャインがそんな重要ポジションにいただなんて…!フォーチュンクッキー投げつけるだけの気持ち悪いぬいぐるみじゃなかったんだ…(これくらいならネタバレになるまい)。

ハイヅカとアイリの微妙な関係もやっぱりにやにやできてよいものです。ハイヅカさんの「ちょっと余裕見せてちょっかいかけちゃう」ところが(このたぐいの少女小説に)あんまりないタイプで結構ツボなんですよねぇ。軽過ぎもせず、かと言って重すぎもせずの良いあんばい。アイリとの関係においては「ハイヅカー!」と突っ込みたくなることの連続なんですが、最後にどう攻めていくのかもちょっと楽しみだったり…!

imgフォーチュン・オブ・ウィッカ5 タロットは運命をためす
月本ナシオ/薄葉カゲロー
角川ビーンズ文庫(2011.12)
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