魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 / 田中芳樹

本の感想, 作者名 た行田中芳樹

国外に逃走した殺人鬼がシベリアにいるという情報を入手した警視庁の命令により、薬師寺涼子とそのオトモたちはシベリアに飛ぶ。シベリアにある秘密都市に犯人が潜伏しているらしく、涼子たちは現地で調達した装甲車で現場に向かう。現場には、シベリア査察にやってきた大物政治家の警護を務める由紀子達もいた。

あいかわらずの女王さまっぷりだなぁ。

傍若無人天上天下唯我独尊の女王様薬師寺涼子警視と愉快な仲間たちの冒険を描いたシリーズシベリア編。今回は悪役関係がかなりムカムカでした。ぐろー(苦手)。そして、これ、きっと執筆の原動力はゲンパツ関係だろうなぁとおもったら、案の定でした。うん、このあたりはさらっと。右から左に。というか流して。話の本筋以外の部分とばしまくったらあんまり読むところないんですけどねぇ……。

涼子様の痛快なアレコレを読んですかっとし、涼子様と泉田くんの「おい泉田もうそろそろ気づけ!」(個人的には泉田くんは、そっち方面の思考を意図的にシャットアウトしてると思うんだけどなぁ、ある種の防衛本能で)というニヤニヤにニヤニヤし、メイドさんたちの有能ぶりに感心するといういつものコースでした。うん、この読み方間違ってない。泉田くんの後半のアレはちょっと唐突というか泉田くんらしくなくて、なんだかなぁとは思ったのですが……。

ちょっと前から日本は女王様には狭すぎて世界に進出していますが、今度はどこかな。今度も、時事ネタが風化する前に読めますように……(このシリーズは、発行後6ヶ月過ぎたらなんだっけ?という描写が多すぎる)

魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹/垣野内成美
講談社ノベルズ(2012.06)
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