竜神さまの生贄になるだけの簡単なお仕事 / 夕鷺かのう

本の感想, 作者名 や~わ行・他夕鷺かのう

姉と慕う聖女の身代わりの生贄として、勝手になり替わったうえで生贄となった聖女見習のルーチェは食べられる気満々で竜神のもとに赴くが、当の生贄をささげられたという竜神オルフェは生贄を要求した覚えもなければルーチェを生贄として食べるつもりはないという。こうして、なんとしても生贄として食べられようとするルーチェとそれを拒否し続けるオルフェの攻防が始まった。

ただの両片思いでした、ごちそうさまでした(好きです)。

幼い頃に別案件で生贄として捧げられたものの、その捧げ先の竜神に助けられて二度目の生贄業こそ成し遂げようとする聖女見習v.s成り行きで友人担当地域の加護まですることになった顔は怖いがお人よしタイプの竜神の食べてほしい・食べたくないバトルという名のラブコメ、スピーディーで楽しかったです。

悪人というか明確な悪役はおらず(身代わり生贄と聞いて無理やり生贄にされたと思うじゃないですか……本人が前のめりで立候補タイプとは思ってもみなかった)、すべての元凶はとある軽めの竜神一人(一体)に集約するようなお話で、その元凶についてもしっかり「尻にひかれる」結末だったのでザマーミロとまでは思いませんが元凶だったら仕方ないよね、という納得の結末でした。

助けてくれた竜神様にあこがれを抱きつつ、生贄として本望を遂げることを目標にぐいぐいと食べることを迫るヒロインと、どう考えてもいろいろこじらせていてどうしようもないことに嫉妬するヒーローが読者は両片思いと知ってるものの本人たちが全然気付いていない~!という状況が良いものでした。

竜神さまの生贄になるだけの簡単なお仕事
夕鷺かのう/ゆき哉
ビーズログ文庫(2020.12)
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