アイリスの剣3 / 小田マキ

本の感想, 作者名 あ行小田マキ

フォーサイスと和解したブルーデンスたちの元に、宮廷医であるヒラルダが事件で傷を負った二人の治療の名目で屋敷を訪れる。フォーサイスの屋敷を訪れた足で、前回の事件で娘を失ったメイスの元に向かったヒラルダはメイスに真相を告げるが、メイスはヒラルダの話を受け入れなかった。

甘やかしきれないフォーサイス様が哀れー

「信頼していた副官が実は女で、政敵から自分のもとに嫁いできてなんのかんのとわだかまりがあったけど、和解したのでこれからラブラブしてやろうと思ったのに国を揺るがす事件が起きてしまったよ!(フォーサイス視点)」というようなアイリスの剣第3巻。ブルーデンスの両親の陰謀がかなり陰湿なものだなぁと思っていたらヒラルダの口から語られる事件の真相がこれまた凄惨で。これは、誰が悪いとか一方的に言えるものではないとは思いつつ、でも気分の良いものではないので何とかうまく収まって欲しいところ。

というような感じで、今回はブルーデンス両親との最終決戦の前の前哨戦といったお話でした。ブルーデンスがまた少々暴走してしまうので、甘やかしたいけど甘やかせないフォーサイスさんの苦労が報われません……きっともっとラブラブしたいんだろうなぁ……。
雷龍隊のゆかいな仲間たちの隊長観察日記など、若干心和むシーンもあったものの、全体的にはわりときつい展開。雷龍隊の中にもいろいろ苦しい立場の人もいるし、彼はどう動くのかな?次かその次あたりで終わりそうなのですが、続きも楽しみです。

アイリスの剣3
小田マキ/圷よしや
レジーナブックス(2012.07)
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