ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと白のカーテン / 青木祐子

本の感想, 作者名 あ行青木祐子

クリスとの結婚のため、父の命でイギリスを離れアメリカに渡ったシャーロックは、ボストンで機械工のラリーとともに車の開発を続けていた。イギリスに残ったクリスは、新体制の「薔薇色」でドレス作りに打ち込んでいたが、ある日アルフレイドから結婚を許す代わりに2つの条件を受け入れるように提示される。

最後までシャーロックがシャーロックで笑い転げた。

シリーズ最終巻。最終巻と言いながら、なんだかノリは後日談みたいな大団円の一冊でした。
この巻でツボに来たポイントは3つありました。まずひとつはソフィアお母さん。いい仕事をしすぎて……最後の最後に母(女)は強し、のエピソードだったなぁと思いました。
もう一つは、一部で大人気、の恋を叶える侍従のアントニーさん。本人の恋は敗れ去ったのに、そしてイアン先生との再会に悔しいながらも喜んでいるアントニーがやっぱり素敵だなぁ(笑)と。
そして最後はやっぱり、クリスの神々スマイルに一発でノックアウトされたシャーリーですかね……最後までこの作品の一番の乙女はシャーリーでした。あそこのくだり、いつもどおりの淡々と硬めの描写なのに本気でズッコケけました。いつまでも、お幸せに。

このあと番外編の短編が一冊、ですね。大きくなったフリルやエドが思わせぶりな成長の仕方をしていたので、このあたりフォローがあるといいなぁと思いつつ。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと白のカーテン
青木裕子/あき
集英社コバルト文庫(2012.03)
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