ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 宝石箱ひみつの鍵 / 青木祐子
シャーロックが乙女すぎる。つまり通常営業
本編終了後のおまけのクリスとシャーロックの物語1編、大陸の王子様と恋に落ちたというアデルの物語1編、そしてイギリスの詩人ワーズワーズの物語1編におまけのマンガ1編の豪華なボーナストラックでした。
クリスとシャーロックは、なんというか、シャーロックが乙女だなぁ、と。もうシャーロックのアホさ(褒めてる)がどうしようもなくてニヤニヤしました。やっぱりこいつ乙女な思考しかしてない(笑)。アデルの物語は、本編で一行だけ語られた物語の顛末。完璧な英国淑女の矜持とその恋(ついでにジャレットとアイリスの顛末も何となく分かるおまけ付き)、というとても好みの題材で面白かったです。アデルお嬢さま素敵でした。
そして、このシリーズとはまた別口の読み切りのお話は、面白かったんですがちょっと苦手なタイプかな。行き過ぎた、そして周囲を振り回す身内愛というのは苦手なんですよねぇ、それがたとえプラトニックであっても。話は面白いし興味深いし、好悪入り混じった淡々とした語り手の女性の語り口が非常に心地いいものだったんですが、これはこれ以上の長さだったらたぶん私は読めないわ(ちょうどよい長さで面白かったことは確かなんですが!)
と、いろんな意味でのおまけの一冊、よいおまけでしたごちそうさま。
ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 宝石箱ひみつの鍵
青木祐子/あき
集英社コバルト文庫(2012.06)
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