光の楽園III 十騎長サグディン / 凉原みなと

本の感想, 作者名 さ行凉原みなと

田舎に引っ込んでいた父の死をきっかけに、騎士として士官を始めたサグディンは駐屯地への食糧の輸送警護中に森で不思議な少女を見かける。サグディンがたどり着いた町では、駐屯する騎士のせいで姉が行方不明になったという少年がおり、行きがかり上サグディンは少年らとともに行方不明になった姉を探しに禁忌の森に入ることになるが……

最後に、きましたがな。

シリーズ三冊目は、非常にマイペースな騎士サグディンが、やんちゃな騎士見習いダリノックらにまとりつかれつつ、謎の失踪事件の真相を追うお話。一冊目に出てきてた破戒僧君が元気に(うさんくさく)再登場されたところにホッとしつつも、前巻・前前巻とそこかとなく語られていた陰謀関係やらなんやらが絡んで割にヘビーでした。人種差別に関係するところは、読んでいて辛いなぁ。

しかしあれですよ。途中まで(面白いんだけど派手なところがなくて)淡々としてるなぁ、サグディンのマイペースさが面白いなぁと思ってたら、最後にきましたがな。いやー、分かってましたよ、あそこらへんとかここらへんでそうなんだろうなーというのはありましたよ。これで違うかったら詐欺だろうというレベルで何点かありましたよ。しかし、直に来るとあれですね、続きが楽しみなんですが、これ関係を含めて、破戒僧君がたどり着いた先なんかもえらくいろいろありそうで、すごく続きが楽しみなんですが、後書きを読む限り、「これで三冊の列伝が終わって、次の本伝」は、あるのか、な……?ぜひとも本伝を、よろしくお願い致します。

光の楽園III 十騎長サグディン
凉原みなと/岩崎美奈子
中央公論新社 C-NOVELS FANTASIA(2012.10)
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