女神と棺の手帳 甘き約束の音色 / 文野あかね

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念願の王立大学医術科に入学したケイトは、史上初の女子学生であるために周囲からの冷やかしを受けつつ、夢に向かって毎日勉学に励んでした。そして、ようやく初めての病院実習の機会が訪れる。医術科の首席リオとともに北部の病院に向かったケイトは、そこで偶然イーノットらと再会する。イーノットはとある事件を追って北部にやってきたらしいが、ケイトには調査に関わるなと釘を差し……

イーノットさんが悪い男!

お医者さんを夢見て頑張るケイトと、彼女を見守る「英雄」と呼ばれる軍人さんの物語2冊目。デビュー作に引き続き、よいものでした……。よいものでした。

前巻に引き続き、若干甘いところといいますが、ツメが甘いなと感じる部分もあるのですが、問題はそこではないのです。ケイトを弄ぶ(語弊がある)イーノットと、そんなイーノットに恋心を募らせるケイトがよいものなのです。気づいてー、ケイト気づいてーと思うんですが、気付かなくてじれじれするこの二人の微妙な関係がたまりません。絶対これへこまされる!ってわかる展開でも、理想に向かってできることから始めようとするケイトがかっこいいのです。そして今回登場したケイトのライバル兼友人候補のリオ君がですね……期待通りのツンデレ(語弊がある)で大変よいものでした。

次は西部の不正を正しにイーノットさんが出張される模様で、2013年春頃発売とのこと。楽しみ!

女神と棺の手帳 甘き約束の音色
文野あかね/高星麻子
角川ビーンズ文庫(2012.12)
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