影の王の婚姻 第二の真実を告げる者 / 天海りく

本の感想, 作者名 あ行天海りく

表立って内政を取り仕切ることになった皇妹フィグネリアは、クロードを補佐役に迎え奮闘していた。様々なことに忙殺される中、神殿から呼び出しがかかり神霊ルーロッカが地上に迷い込んだらしく、捜索を依頼される。ルーロッカはどうやら最近王宮内で頻発している「喧嘩」に関係しているようで、クロードは王宮内をふらふらと探しまわるが……

子犬が二匹。

デビュー作に引き続きのシリーズ二作目。無事夫婦になったフィグネリアとクロードが、政治でドタバタ、神霊でドタバタと王宮を駆けずり回るお話でした。
土台になる部分は面白いんですが、なんだかちょっとパンチ不足かなぁ、と感じました。政治方面と神霊方面と、両方の問題を同時並行ですすめていくんですが、どっちつかずというか、ボリュームがあるからどっちも物足りなくなってしまうというか。フィグネリアもクロードも「かわいい」のでその辺りは楽しいんですが、話がシリアスに転がるとちょっと物足りなさを感じてしまいました。

クロードくんの心の友関係や、フィグネリアの新たな「協力者」など楽しみな要素はあるものの、神霊関係がもうちょっと全面に出てくるようであれば続き様子見かなぁ。

影の王の婚姻 第二の真実を告げる者
天海りく/犀川夏生
ビーズログ文庫(2013.06)
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