影の王の婚姻 / 天海りく

本の感想, 作者名 あ行天海りく

皇帝である実兄を内政面からサポートするディシベリア帝国の皇女フィグネリアに、彼女を溺愛する兄からの誕生日の贈り物は小国ハイランダ公国からやってきた婿クロードだった。特技が「笛を吹く事」というクロードの真意をつかめないまま、フィグネリアはお気楽王子生活を送っていたクロードを「使える」レベルに引き上げるために教育を始める。

王子さまがとてもわんこだった。

第14回えんため大賞ガールズ部門奨励賞受賞作品。どちらかと言わなくても脳みそ筋肉系の兄夫婦を実務面全般で補佐しているフィグネリアと彼女の元に婿入りしてきた「見た目と笛の腕と素直さ」が取り柄のクロードのきゃっきゃうふふの新婚生活(国を揺るがす陰謀もあるよ!)というお話でした。
宮廷陰謀劇なのですが、兄夫婦とやってきたダンナがわりとゆるめで和ましてくれるのでそんなにシリアスさも感じず(陰謀自体は重たいんですけど)、手軽に読める印象を受けました。フィグネリアに負荷がかかりすぎてるなぁ、とか皇帝がそれでいいんかい、とか、腹心がいきなりそれでいいんかい、とかいろいろ突っ込みたいところはあれど……この話はそこが問題じゃなくて、わんこ系の婿がクール系の嫁の懐にぐさぐさっと切り込んでいって、居場所をガッツリ獲得するお話なので!その辺りは楽しかったです。

クロードさんが天然たらしといいますか、彼の無自覚のたらしっぷりが卑怯といいますか(褒めてる)、そんな彼にグラっとぐらつく嫁がかわいいといいますか(こういうの大好物です)、少女小説的に美味しいところがあったので楽しめました。次回作も楽しみかなー。

影の王の婚姻
天海りく/犀川夏生
ビーズログ文庫(2013.02)
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