ひみつの陰陽師4 よっつ、黄泉姫は愛を願う ・5 いつつ、色にでにけり我が恋は / 藍川竜樹

本の感想, 作者名 あ行藍川竜樹

紀伊での怪の解決を命じられた玲雅は真澄と、そして真澄の家系の本家であり玲雅とは気の合わない賀茂正直とともに紀伊に向かう。そこでは紀伊の神域に封じ込められているという妖の封印がとけていた。[よっつ、黄泉姫は愛を願う]
真澄の「離反」から賀茂家の結束を強めるために「真子姫」との結婚を承諾した正直。正直の母が真子と正直の結婚話を強引に勧めようとするため、真澄は玲雅に「真子」の恋人役を演じてもらうことにする。[いつつ、色にでにけり我が恋は]

玲雅様が、ぼ、爆走というか暴走。

この旅をきっかけに親睦を深めるんだ!と意気込みまくりの「紀伊への(まるで)修学旅行」編の4冊目、そして真子に結婚話が持ち上がって大ピンチ!の5冊目。両方ともとても楽しく堪能いたしました。玲雅が、恋する少年で。真澄が女であることを知っている玲雅としては男・女の関係のはずなのに、真澄や周囲の人からすると男・男の関係で、真澄の慌てぶりや、周りの疑惑の視線が面白い……。
真澄と玲雅の恋模様がギャグパートの様相を呈しつつも、真澄の玲雅への想いはかなり読み応えもあり、そして真澄を一途に想う蘇芳もこれまた、な展開で少女小説的にも非常に美味しい描写のアレコレに満足しておりました。そしてなんといっても貴輝さまがこれまたいい人でねぇ。見た目はおかしいですが、この物語に出てくる数少ない「常識人」のような気さえしてきました。

この物語の「ラスボス」もちらりと姿を見せ、残りは連続刊行されたという3巻となりましたので連続で読んでみたいと思います。

ひみつの陰陽師4 よっつ、黄泉姫は愛を願う
藍川竜樹/みずのもと
集英社コバルト文庫(2012.8)
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秘密の陰陽師5 いつつ、色にでにけり我が恋は
藍川竜樹/みずのもと
集英社コバルト文庫(2012.11)
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