月と夜の物語 魔神の王と祝福の乙女 / 小椋春歌

本の感想, 作者名 あ行小椋春歌

片田舎でひっそり暮らすライラは、長老から預かった不思議なランプから聞こえる声を聞き、ランプに封じられたという魔神ルーダイナの要望でバスラムの都にランプを連れて行くことになる。しかしその翌日、そのランプを探してやってきたシャルカーン王子とその従者ザインの懇願により、魔術の力を見込まれたライラは悪神にさらわれたというジャスミンを助ける旅に加わることになる。

すがすがしいまでに腹黒かった。

アラビアンな読み切り、面白かったです。想い人をさらわれた魔神(ランプの精)と王子様が愛しい人を助けに行くために旅に出て、それに付き合う従者と、従者の口車に乗せられて同行することになった女の子、さらに途中でライラに呪いをといてもらった女好きの王様まで同行することになり……と賑やかな旅でした。

ライラちゃん、絶対騙されてる!と思ってたら案の定の展開で、ザインの腹黒さがたのしく、さらにザインの腹黒さを白い目で見ている王子様が面白かったです。王子様、俺様だけどかわいい……。ジャスミン姫もなんのかんのと強くてかわいい……というか登場人物がみんな味があって面白い。完全無欠のハッピーエンドで一冊で終わりなのは寂しいなぁという一冊でした。前作(ドリーム5)も一冊じゃもったいないな!というお話でしたので、3冊くらいのお話を読んでみたいなぁ。

月と夜の物語 魔神の王と祝福の乙女
小椋春歌/まち
ビーズログ文庫(2014.07)
amazon/honto/BOOKWALKER