廻る世界の黙示録 少女戦隊ドリーム5 / 小椋春歌

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行小椋春歌

学校帰りにどう見ても猫耳をつけたイケメン(タマ)と目があってしまった普通の女子高生・要は、少女戦隊ドリーム5に勧誘されてしまう。なし崩し的にドリームピンクになってしまった要は、タマに連れられて公園に現れた「魔王」と戦うことになるが、当の「魔王」はまったく魔王らしくなく……

く、くやしい……(面白かった)。

ドリーム5とかいいながら隊員は実質2名(しかもふたりともピンク)だったり、ヒーローがヘタレ系僧侶だったりでどっからどう見てもこれ出落ちだろう!という少女小説と思っていたんですが、読み終わってみると仏事系バトルでまっとうな少女小説でなんだか面白かった一作でした。これ、1冊で終わりとかもったいないなぁ。男前の要ちゃんと草食系光明くんがこれからだ、というところできれいに幕が閉じちゃって!要ちゃんの喝で開眼した光明くんのかっこいいところ、高校生と大学生の初々しい反応となんかいろいろ楽しかったです。少女小説っていいなぁ。

あとは、この物語の肝である戦隊部分(どう考えてもコメディ)がとても面白かったです。どう考えても戦隊・あのコスチュームはタマの趣味ですが、それにいちいち突っ込み入れる要ちゃんが面白い。そうよねー、変身シーンには突っ込みたくなるよねぇ!(笑)技へのツッコミも面白い。そしてできれば他のメンバー(看護婦・OL・大学生・会社員・保育士)も出てきてほしいなぁって思っていたんですが、それ以前に本当に他のメンバーがいるのか怪しい気もしてきました。あのタマだから……。

廻る世界の黙示録 少女戦隊ドリーム5
小椋春歌/明咲トウル
ビーズログ文庫(2014.02)
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