神ノ恋ウタ あめ つち ほし そら / 石和仙衣
古事記をベースにした神と人の恋物語、面白かったです。
この人の本をなんで読んでなかったんだ!と思った程度にチェック漏れしていた石和さんの最近の作品を読みました。これ1冊で決着はついていますが、シリーズ化している模様です(ということで続きも読まないと)。
神に愛された巫女の雪荷と、彼女をめぐるふたりの男神の物語。伊宇夜さまはなんかちょっとうさんくさいなぁと思っていたら、途中から見事に伊宇夜さまルートから外れていって、あ、私の感覚まだ狂ってない、と妙なところで感心してしまいました。で、大本命な炬様ですが、この人もなんか思ってた人と違った!ちょっとかわいいんですけどなにこれ!と妙なところでときめいてしまいました。炬と雪荷とふたりで村の開拓に取り組んでいくところなんかは、派手さはないもののすごくドキドキして楽しかったなぁ。ああやって一歩ずつ着実に「よくなる」ところと、そしてふたりの距離がだんだん縮まっていくのは読んでいて幸せ気分になるので好きです。
そして穏やかな村での生活から一転してのクライマックス、いろいろと驚きの展開でなんだと!一気に読んでしまいました。確かに言われてみればそうだなぁと納得ですが、しかし、なかなか。そして最後の「まとめかた」は神様らしいというか、それって反則というかある意味勝ち逃げ!という気がしなくもく、物悲しいはずなのに素敵な結末で、よい物語でした。
神ノ恋ウタ あめ つち ほし そら
石和仙衣/絵歩
講談社X文庫ホワイトハート(2014.05)
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