流血王の初恋 / 宇津田晴

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行宇津田晴

義母である王妃と義姉に疎まれ、地方の貧しい領地で領民とともに細々と暮らしていたユーラだが、隣国との友好の証のために「流血王」とも恐れられるカエルムに嫁ぐことになる。恐れているばかりでは何も始まらないとカエルムを理解しようとするユーラは、ちょうどイメージ刷新を狙カエルムと「アツアツ新婚カップル」を魅せつける作戦にでることになる。

宇津田さんらしい素晴らしいラブコメ読み切りでした。

たくましくて健気な王女様と、諸処の事情で流血王と呼ばれてはいるものの実のところは好青年な青年王の政略結婚モノですごく楽しかったです。
流血王とあるので、切った張ったの話かと思えばもうそんなことまったくなく、流血王からどう脱却しようかというお話でした。カエルムの序盤のわかりにくいおもいやりがですね……(少女小説っていいですね!)そして中盤以降にカエルムのアレコレにあわわとなるユーラがかわいいです。更にいうと、憎めない有能な腹心というのもこれまた大層美味しいポジションで、大変満足。いいものを読みました。

流血王の初恋
宇津田晴/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2014.07)
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