眠れない王様のお休み係 / 宇津田晴

本の感想, 作者名 あ行宇津田晴

庶民育ちの王女ローズは、「働いていないと生きていけない」という勤労魂を満足させるべく、宗主国アクア王国で社交界デビューを飾ることになる。国のために人脈を築き、良い結婚相手を探すことを目的にアクア王国に乗り込んだローズは、そこで幼いころ共に過ごした幼馴染アンディと再会する。

宇津田さんはやっぱり鉄板だなぁ……

勤労王女と、しかめっ面王様の「もうさっさとくっついちゃえよ」ラブコメ。今回はこの二人のニヤニヤはもちろん良いものでしたが、それに加えて二人の腹心(親友)ポジションの二人も大層美味しいものででした。そう、こういう脇役がいつのまにか!というその展開も良いものなのです……。

ローズの真っ直ぐなところや、アンディがローズの真っ直ぐさを(ラブコメ的に)うまく利用した腹黒いところが面白く、そして最後まで安心して読める少女小説の王道っぷりを大層堪能できたので、宇津田さんのラブコメはやっぱりいいなぁと思っているんですが、どうもルルル文庫が店じまいを始めるとのことで今後の宇津田さんの活動の場がどうなるのか気になるなぁ。どこかのレーベルで出してくださると嬉しいんだけどなぁ。

眠れない王様のお休み係
宇津田晴/あき
ルルル文庫(2016.07)
amazon/honto/BOOKWALKER