棘公爵の花嫁 賭けをしましょう、旦那様 / 白川紺子

本の感想, 作者名 さ行白川紺子

権力争いに負け失脚して失意のまま父親がなくなり、財産を没収されてしまったためにあとは商人(好色爺)の元に嫁ぐしかなくなった伯爵令嬢セシルの前に、有能だが人嫌いで引きこもりという噂の公爵バートラムが現れる。バートラムは昔セシルの父との「賭け」に負け、そのときにセシルを娶ることを約束したらしい。伯爵家の名誉回復のためにバートラムに嫁ぐことを決意したセシルだが、バートラムはセシルのことは放置すると宣言した。

よい歳の差カップルでした。

有能なものの人嫌いでひきこもりの公爵様と、公爵様の心を乱す伯爵令嬢のなんとも(途中までは)じれったい物語。バートラムの性格(人嫌い)を理解しつつも、おせおせゴーゴーと果敢に挑むセシルが可愛らしく、そんなセシルに徐々にほだされていくバートラムがよいものでした!あと、それぞれについているじじい分(伯爵家と公爵家に長年仕えている家令と執事)も良いものでした……。ふたりともいつの間にか見守り隊(笑)。

とまあ中盤まではじれじれラブストーリーなんですが、二人の想いが通じあってからのアツアツっぷりったらなんですかこれというレベルでお腹いっぱいです。そんな二人に発破を掛けたバートラムの(自称)親友の王子さまも、一筋縄ではいかない良い性格で、面白いなぁ。この王子さまが前作の王子様のお兄さまとのことで、このひん曲がった性格のこの王子様が主役の物語も読んでみたいです!絶対美味しいお話になると思います!

宮廷(ちょっと)陰謀もの的にも私好みのお話でしたので、次は是非このお兄ちゃんのお話で一つよろしくお願いいたします(笑)。

棘公爵の花嫁 賭けをしましょう、旦那様
白川紺子/香魚子
集英社コバルト文庫(2015.07)
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