王宮呪い師の最悪な求婚 / 宮野美嘉

本の感想, 作者名 ま行宮野美嘉

王宮の新米呪い師エレインは訓練所の先輩でエレインの天敵、かつ天才占い師のラキスヴァデリの下に配属される。天才ゆえの常人には理解できない行動をとるラキスの「取り扱い説明書」として重宝されるエレインは、日々ラキスの言動に振り回される。

これは確かに最悪な求婚だ……(笑)。

天才に振り回される頑張り屋のヒロインの物語、ラキスの言動がいろいろひどくてこれは確かに最悪、というラブコメで楽しかったです。ラキスのエレインに対するアレコレは全部ラキスなりの愛情表現なんですが、それが普通基準で行くと全部ひどいので、次はどんな言葉が出てくるのかとある意味はらはらの展開でした。行き過ぎた歪んだ愛情表現は伝わらないことの典型例。

エレインが一人で突っ走ってしまうところはもどかしくもありましたが、全部ラキスの掌の上、という側面もあり、まー最後はラキスくんがなんとかしちゃうんだろうなぁとある種の安心感を持って読んでしまいました。

王宮呪い師の最悪な求婚
宮野美嘉/くまの柚子
小学館ルルル文庫(2015.01)
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