出戻り乙女の(秘)稼業 恋は幽言実行! / 文野あかね

本の感想, 作者名 は行文野あかね

官吏を目指す春明は三度の試験に(不慮の事故で)失敗し、次に失敗したら嫁に行くという背水の陣で四度目の挑戦するために道中を急ぐも、気がつけば三途の川のほとりにいた。試験も受けていないのに!と騒いだら今度は気がつけば自室の寝台の上だった。試験に失敗したかと落ち込むが、霊督院からスカウトがやってくる。

コンビモノ!コンビモノ!とそれだけでテンションが上がりました。

文野さんの新作は、今回もヒロインは頑張る女の子(庶民ポジション)。実力はあるものの最後の最後にトラブルが起きて官吏になれなかった春明が、「三途の川まで行ってしまった」ことにより得た能力から「幽霊」を扱う部署にスカウトされて、凄腕の先輩とコンビを組んで紆余曲折するというお話でした。
コンビものということで、最初は距離の遠かった二人がだんだん距離を縮めていくところとか、なんのかんのと恋心に気付いてしまう春明ちゃんとか、総じて好みのお話でした。最初は春明に対してけんもほろろだった景彰が、春明の頑張りに対して徐々に心を許していくところとか、さりげない優しさなどがとても少女小説でした。

最初は当て馬婚約者さんがヒーローかと思ってたんですが、そうではなかったのが若干残念かもしれない程度に結構好きかも。ちょっと違う話だったら彼も十分ヒーロー枠だよなぁ、と(笑)。

出戻り乙女の(秘)稼業 恋は幽言実行!
文野あかね/鳴海ゆき
角川ビーンズ文庫(2015.09)
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