おこぼれ姫と円卓の騎士13 再起の大地 / 石田リンネ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行石田リンネ

リギュア国とウルク帝国の諍いの種となっていた宝石を持った使者を見つけ出したレティはウルク帝国の帝都に戻ろうとするが、ウルク帝国のカリム皇子はそれを阻止しようとする。カリムの使者を説得して帝都に向かったレティは、帝都に残っていた兄王子のフリートヘルムが原因不明の流行病に罹患したことを知り、カリムに流行病に対応の助力を申し出る。

ウルク編は芋にはじまって芋に終わった。

ウルク編の完結編。ノーザルツ公の影が薄い(というか本巻にいたっては言及がない)のが個人的に非常に残念ではありますが、なにはともあれ相変わらずレティは格好よくて、そして今回はフリーとヘルムのお兄ちゃんが美味しいところを持って行ったお話でした。カリム皇子も、後ろ向き発言をし続けつつも最後の最後はきちんと決めて、よいものでした。こう、「後世にはこう伝えられている」という語られ方が結構好きなので、しんみりとよかったなぁ、と。よかったといえば、レティの恋心が、あれです。ページ数をさいているわけでもなく、さらりと描かれているのですが、その分破壊力抜群でした。

それにしてもゼノンの動向が不穏すぎて、続きがどうなるのか気になります。次はレティのお誕生日会ということなんですが、これは息抜きのお話なのか、息抜きと思わせておいてまた容赦無い展開に持っていのか(たぶん後者)、続きも目が離せないです。

おこぼれ姫と円卓の騎士13 再起の大地
石田リンネ/起家一子
ビーズログ文庫(2016.01)
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