本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い」(全4冊)/ 香月美夜
相変わらず驚きの虚弱さを発揮しながら紙づくり、本づくりに邁進するマインのたくましさが素晴らしかったです。
シリーズ第二部全四冊、平民暮らしをしながら巫女見習いの生活を始めたマインが本を作るために孤児院改革をしつつ、本作りのための技術を確立しつつ、貴族のごたごたに巻き込まれてしまうお話でした。相変わらず面白く、読むのが止まらないのはさすがだなぁと思いました。
マインは本ファーストで本のためなら、という行動原理はあるものの、根底は善の人で、見てしまったからには救い上げたい、助けたいという行動をして、それが何のかんのうまくいくのは読んでいて楽しいなぁと思います。ある意味社会人一歩手前まで行った人生二回目なので、孤児院の改革は大人の経営改革ですからね。
一方で、物語の土台の部分ではわりときついというか、ざっくりとやっちまいましたね……というような展開だったりするので、マイン周りにほっこりしていたらだまされた(いい意味で)、というようなことがよくあり、この落差というか、あげて落とすのもすごいなぁという印象です。
兵士の娘から巫女見習いにジョブチェンジして、第二部の終わりにはさらに次のジョブチェンジでしたが、今回の最後は大切なものを守るための別れもあり、読みながらほろりと涙を流し次回に続く、さっさと読もう……でした(これ書いている時点で第三部も読み終わってます)。
さらに権力を手に入れたマインが本づくりに邁進することは目に見えていますが、得た権力をどこまで生かすのかも楽しみです。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い」(全4冊)
香月美夜/椎名優
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