宝塚-雪組 / 堕天使の涙
(2006年10月頃に書いたものをサルベージ)
堕天使ルシファーが「神様が人間作るの反対したのに神様は人間を作って、自分を地獄に落として堕天使にした。そんな神が愛した人間が自分のダンスによって堕落した姿を神に見せて復讐してやる」という理由(表向き)から「地獄の舞踏会」というダンスを人間に作らせるというお話。
↓
朝海さんと舞風さんのトップコンビのサヨナラ公演だったので、ここ最近見たサヨナラ公演である宙組や星組のように感動巨編であろうと割とワクワクしながら行ったんですが……、えー、これ、娘役トップさんの扱い(前半)が酷くないですか?オープニング以降の登場は中盤以降、しかも九割方ベットの上、そして見せ場はラストのダンスだけだなんてっっっ!
正直な話、雪組びいきではない素人の私でもこりゃ酷いと思ってしまいました。
前半のミュージカルは”ファンタスティック・ミュージカル”と銘打つだけ有り、踊る堕天使ルシファーが主役というファンタジックな仕上がり。朝海さんのダンスすごいー、水さんと朝海さんの絡みがお美しい、オカマさんの衣装担当さんおもしろいー(ついつい目で追ってしまいました)などと見所がいっぱいなのですが、いかんせん舞風さんが(以下略)。男女の愛というよりむしろ家族愛、神と人間の愛を描いているのでロマンティックとはまた違うのですが、なかなか深いものがありました。意外だったのはセバスチャンとイヴェットの組み合わせかなー。最後は丸く収まるかと思っていたのに。
いろいろとなんでっ!と思う面は多々ありましたが、ラストのノエルのシーンは幻想的でとてもきれいでした。ラストを意識した「忘れない」のセリフはさすがだな、と思ってしまったり。
最終的にはまだまだ人間も棄てたもんじゃないよーという展開は好きですが、いかんせん全体的に退廃的で暗くて娘役さんの扱いが(以下略)。
後半のレビューについては、もう何がなんだか分かりません。毒蜘蛛をモチーフにしたおどろおどろしいものかと思えば(事実、クモの巣をイメージした舞台装置は結構怖かった)、最初は暗いんですが後半は妙にハイテンションでノリノリな曲が割と多くいつものショーだーと楽しめもしました。今回のレビューは「歌う人」と「踊る人」がはっきり分かれているナンバーがほとんどでちょっと新鮮でたのしーなとも感じました。踊る人は踊りに集中できるから、これはこれでよいのでしょうか?全体的にはたのしめたのですが、ですが、
ロケットがない?
ような気がします。ロケット要員のようなそろいの衣装の方々はいらっしゃって、ロケットっぽい動きはありましたが揃っての足上げは1回しかなかったですよ!(素人・私の中ではロケット=足上げ)あの一糸乱れぬ足上げがないなんてっ。
あとは、気付いたらいつの間にかフィナーレだったというのも不意打ちでした(予習不足)。大階段と扇子が出てきた時点でフィナーレっぽいなぁとは感じたんですが、いつの間にか舞風さんが歌ってあとは朝海さん残すのみに。フィナーレのときは「フィナーレだっ」と心構えをしてから見るのが礼儀だと思っているのですが、その心構えなしにフィナーレを見るのはなんだか礼を失している気分でした。
と、いろいろと疑問に感じる面も多々ありましたが、結局はかなり楽しんで帰ってきたわけで(生で見るとなんでも楽しく感じる得な性分)。次の観劇も楽しみです。