オペラ・メモーリア 祝祭の想い出 / 栗原ちひろ

本の感想, 作者名 か行栗原ちひろ

東方出身の薬師カナギ、謎の詩人ソラ、元暗殺者のミリアンの三人組は帝国に追われつつも行く先々で騒ぎに巻き込まれる珍道中を繰り広げていた。そして、詩人を異様なまでの執念で追いかけるバシュラールの詩人との奇妙な因縁は……


来月に最終巻が出るオペラシリーズの短編集。この前出た本編のラスト一冊前(オペラ・グローリア)は読む時期を逸してしまったのでラストと一緒に一気に読もう計画に。短編集なのでグローリアは読まなくて大丈夫かなと思っていたら、割と重要っぽいネタバレが(実はあんまり気にしませんが)。同じようなことをお考えの方、お気をつけください。

短編は大きく分けて三種類に分類されます。三人の珍道中物語、本編ではいろんな意味で圧倒的存在感を放っていた女装大好き美少年リュリュの一目惚れ物語、そしてバシュラールの過去編です。
珍道中物語はこの三人の絶妙なやりとりとポジションが好きだなぁと思わず和んでしまいました。本編がシリアス一直線でここ最近ではなかなか拝めないであろうから余計に。
そして本巻のサブタイトルにもなっているバシュラール物語は、結末が悲しいものになるとわかっているだけに読んでいる途中つらいところがありました。バシュラール兄は三人ともなかなかよい味しているのでなおさらです。もっとバシュラールとの掛け合いを読んでいたいと思わずにはいられませんでした。

短編で養分を補給したところで、後は来月の最終巻を待って一気読みするのが楽しみです。

imgオペラ・メモーリア 祝祭の想い出
栗原ちひろ/THORES柴本(イラスト)
角川ビーンズ文庫(2008.01)
ISBN:978-4-04-451407-5
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