アマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使いIII / 細音啓

本の感想, 作者名 さ行細音啓

各地で名詠の研究期間、学校を狙う事件が続発する。まだ被害に遭っていないトレミア・アカデミーも次こそはという段階になり、学園は臨時の休校を決める。間をおかずして「名もなき敗者」と名乗る不審者が学園に潜入し、「灰色名詠」で人々を石化していく。


黄昏色の詠使い第三巻。一気に物語の「謎」といいますか、「幹」の部分がクローズアップされました。クルーエルの非凡なその才能や、ネイトの「夜色名詠」などの関係が少しずつ明かされていっている……ような。ネイト、クルーエル、そしてエイダとそれぞれ鍵を持つ人物が偶然か学園に一堂に会している流れに思わずおおおお、となりました。
クルーエルとミオのがんばりや、ネイトの名詠などクライマックスでは手に汗握る展開の連続でページをめくる手が止まりません。緊迫した状況だったにもかかわらず、今回の名詠詩も素敵だなぁとまじまじと読みかえしてしまいました。

超人変人奇人のあつまりっぽい<イ短調>の面々も少し明かされておりますが、みんなががっつり出てこられることはあるのだろうかとそこはかとなく期待。イ短調さんや先生さん達の動向がひっじょーに気になります。幼なじみ三人組の先生達、いいわ、こういうの(笑)。

imgアマデウスの詩、謳え敗者の王 黄昏色の詠使いIII
細音啓/竹岡美穂
富士見ファンタジア文庫(2007.07)
ISBN:978-4-8291-1941-9
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