アルビオンの夜の女王―青薔薇姫と幻影の悪魔― / 木村千世

本の感想, 作者名 か行木村千世

アルビオンの「夜」の平和を守る<青の薔薇十字団>を率いるセシアは、「夜の女王」として日々頼もしいがトラブルばかり起こす三人の仲間と悪魔が巻き起こす問題に対処していた。ある日、貴族のご令嬢が行方不明なるという事件が勃発。どうやらその事件にはセシアの実の妹でありアルビオンを統治する「昼の女王」でもあるクローディアの在位記念の精巧な人形がかかわっているらしい。とある悪魔と交換条件で得た助言で事件の真相に迫っていくセシアは……

執事が最強すぎる。

イギリスっぽい国を舞台に、悪魔と共存しようとする国で悪魔関連の事件を扱う実働部隊<青の薔薇十字団>の活躍を描いた作品。団を率いるのは自身の出生を対外的に秘密にしている王姉のセシア、そして彼女を助けるのは万年寝てる美形吸血鬼、バカ力の人狼、改造人間の三人に、彼らを支える謎多き最強執事。そんな中、セシアの前に現れた謎の高位悪魔ファントムは、セシアの物語と引き替えに彼女に情報をもたらして……

と軽めに読めるラブコメチックな新シリーズでした。これ、よく考えてみると配置が逆ハー(本命あり)です。今まで気付かなかった。セシアと彼女の負い目の部分にするっと入っていたファントムのいい感じのラブ方面に今後期待です。
そして、実はセシアとファントムより何より、最強すぎる執事が本当に謎で面白かった。たぶん、彼が出張ったら何でもすぐ解決すると思うので、最後まであくまでも謎の最強執事でいてほしいです。実は変わり者の高位の悪魔で現在は執事業に凝ってます、とかだったら笑います。

しかし、面白いんだけどデビュー一作目で感じた私と文章合わない感がやっぱり若干あったのが残念だなぁ。もうこれは個人的な問題なんでどうしようもないんですが……。シリアスとコメディの部分が少しちぐはぐな感じがしたのが一番だめだったんだろうか……?

アルビオンの夜の女王―青薔薇姫と幻影の悪魔―
木村千世/こうじま奈月
B’s-LOG文庫(2009.07)
ISBN:978-4-7577-4982-5
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