珠華繚乱~明日に吹く風~ / 宇津田晴

本の感想, 作者名 あ行宇津田晴

ツファイ帝国の東の地での反乱を食い止めた蓮祥たちは、落ち着く暇もなく賀杖を捕らえるためツファイの帝都に向かう。蓮祥を狙う賀杖は、帝都に最後の仕上げを施し一行が到着するのを待ちかまえていた。

大団円の最終巻。しかし某あの団体がまさかのラスボス化。

とても安心して読める王道物語(?)珠華繚乱最終巻。いやーうまいことまとまってよかったよかったと思ったら最後はそれか!とても突っ込みたくなりました。もうこれ珠家方面でどんちゃん騒ぎで最初から最後まで行った方が面白かったんじゃ……などと思ってしまう程度に珠家の皆さんが好きです。行かず後家推進委員会は一匹見たら(略)。龍牙の戦いは始まったばかりだなぁ、がんばれ。

最終決戦も最終決戦らしくきちんと盛り上がり、きちんと決着がついて一安心です。基本的に珠家の皆さんが人外めいた活躍をすることは分かっていたので全く何の心配もしていませんでしたが、そこまでやるか!的な根回しぶりがすごいですね。ここまでうまくいくととても気持ちがいいです。さすがコンセプトが安心設計の物語(後書き参照)。

うまくいきすぎ!とかいろいろ感想では言いまくっておりましたが、それだからこそのおもしろさもあった物語でした。個人的にはとても好きなシリーズだったので最初から最後までちゃんと読めて良かったです。新作も楽しみにしています。

珠華繚乱~明日に吹く風~
宇津田晴/山下ナナオ
小学館ルルル文庫
ISBN:978-4-09-452126-9
bk1/amazon