東方妖遊記 心が紡ぐ第二の盟約 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

一夜にして邑が全滅するという怪奇現象が起きるという事件が勃発し、領主である楓牙はその真相を探っていた。一方、とある領地を与えられた晄は荒れ果てた地の開墾にいそしむ日々を送っていたが、ある日行き倒れの青年を助ける。その青年は記憶も自分の名前も分からないということで、しばらくの間、晄の家で世話をすることになるのだが……

楓牙様、がんばれと心底思った。

古代中国・殷を舞台に繰り広げられる健気な主人公とそのオモシロ家族、主人公になつく妖、そして主人公に浅からぬ縁のある王子様その他が繰り広げるドタバタ?アクション第二弾。サブタイトル通りのお話でほっと一息です。

(詳しいわけではないのですが)殷という時代設定をうまく生かしておられるなぁ、そして晄ちゃんの愛され具合が楽しいなぁと思いながら読んでました。晄ちゃんへの家族愛が度を超してうっとおしいのでここで躓かない限りとても楽しめるのでは、と。遠くから生暖かく見守ったもの勝ち(私は楽しめた)。
そして、晄ちゃんになにかと絡もうとする王子様にそれを必死で阻止する兄、この構図が笑えすぎる。お兄ちゃんは時々黒どころかまっ黒でした。王子様は晄に近づこうとしたらお兄ちゃんに阻止され、莉由さんに近づこうとしたらゴミのようにあつかわれと中盤までいいところなしなので……とてもがんばれと思いました。妖さんたちは妖さんたちで水面下でじりじりと寵愛スキルを磨こうとしてるし……。もうこれギャグ小説でいいんじゃないか、と一瞬思ってしまったり。

感想がいつにもまして酷いですが、個人的にはすかーっと楽しめるシリーズだと思うので続きも楽しみです。しかし、これはだんだん手下が増えていく話なのだろうか……!

img東方妖遊記 心が紡ぐ第二の盟約
村田栞/伊藤明十
角川ビーンズ文庫(2010.01)
ISBN:978-4-04-451012-1
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