シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と青の公爵 / 三川みり

本の感想, 作者名 ま行三川みり

銀砂糖師を目指す少女アンは、新年を前に宿代に事欠くギリギリの生活を送っていた。アルバーン公爵が破格の報酬を示し、砂糖菓子職人を募集しているという話を入手したアンは、相棒の妖精達とアルバーン公爵が治めるフィラックスを目指す。

ミスリルかわいい。

ビーンズの童話風な砂糖菓子職人物語、第二弾。腕はいいのに巡り合わせが悪く貧乏生活を余儀なくされているアンと、彼女と一緒に旅をする妖精のシャルと(おまけの)ミスリルのお話。

思ったよりも早くアンとシャルにお互い「自覚」の瞬間がやってきて、ちょっとニヤリ。もうちょっとひっぱるのかとおもったけど……。それにしても、アンもシャルもどことなく可愛いなぁ。じんわりゆっくりの二人の関係が好きです。
可愛いと言えば、恩返し妖精のミスリルも可愛すぎる。寿命が短いのか長いのかよくわからない種類の妖精だけに、今生きることに一生懸命!という前のめりの姿勢が天晴れです。がんばれミスリル、壮大な恩返しがいつなるか分かりませんが応援してます。
しかし、物語にピリリとアクセントを加えるはずの悪役ポジション?のジョナスが、ジョナスが……本気で小物すぎ……というか張り合いなさすぎて……もうちょっと悪役的に成長しないとただたんにイラっとくるお兄ちゃんで終わっちゃいます。こちらもいろんな意味でがんばれ。

imgシュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と青の公爵
三川みり/あき
角川ビーンズ文庫(2010.08)
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