龍ノ国幻想1 神欺く皇子 / 三川みり
オリエンタル宮廷(陰謀)ファンタジーで面白かったです。
男女逆転な和風っぽいファンタジー(あらすじから推測)、これ絶対面白いでしょうと思って(いつも通り)順当に温めておいた本作(現時点でシリーズ3冊目まで出てます)、1冊目をようやく読みまして、予想通り・評判通りとても面白くて一気読みをしてしまいとても満足です。1冊目を一気読みどころかすでに2冊目も読み始めてる次第で……(だってあんなラスト、続きがあるとなればそのままシームレスに読みたくなるじゃないですか……一応本巻だけでも決着ついているといえばついていますけど)
重厚、といいますか濃厚ファンタジーで、不思議に包まれている部分が「人にはいかんともしがたい」もののそれをいいことに「思考停止して有力者が一部の人を非人道的に扱っている」閉塞感と、これをどうにかしようとする日織や悠花の奮闘が頼もしくもあり、どうにかうまくいってほしいと願わずにはいられない展開でいろいろと手に汗握る展開でした。今回は悪役(敵役)のやってることと思考回路がどこからどう考えても悪役なので、この人たちはまあええことはないわな(成敗されるでしょう)という安心感はあるものの、クライマックスでのなかなか厳しい一手と、そっちからか!というような少々予想外の展開を見せた部分もあったので最後まで目が離せませんでした。
そして序盤に書いたように「こんなの続きもすぐ読まないとだめじゃないですか」というような結末だったので、速やかに続きも読みたいと思います。ちょっと重めの少女小説好きな人はたぶんこのシリーズはジャストミートだと思うのでお勧めです。
龍ノ国幻想1 神欺く皇子
三川みり
新潮文庫nex(2021.08)
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