アーレイティカの剣闘士と女神姫 / 相羽鈴

本の感想, 作者名 あ行相羽鈴

古代の都市アーレイティカで女神の生まれ変わりとされる有力者の娘アリアセラは、有力な商人の跡取り息子との結婚を控えていた。婚約者に連れられて初めて円形闘技場に行ったアリアセラは、そこで人気の高い無敗の剣闘士サラーガに密かに心惹かれるが……

きついことをばっさり描く作品でした。

あ、なんか火山噴火しそうだしポンペイっぽいと思ったらそこら辺をモチーフとした「運命のディザスター・ロマンス」 [1]サブタイトルにこう書いてあるけど長かったからこの記事のタイトルには書かず。有力者の娘で半分神格化されている存在のヒロイン、性格のひんまがったヒロインの婚約者、虐げられている剣闘士の三人が繰り広げられるドロドロロマンスでした。女神様の恋関係は何となくこうだろうなぁ、と思った通りだったんですが、最後のパニックぶりが想像を超えて凄惨でしたねぇ……たまにコバルトはやるときゃやるね、と思うような。

全体的には硬派でわりと好きな系統のお話であることは確かなんですが(時空を超えた愛とかロマンです)、どっぷり浸かれるかと言えばそうではなかったのがちょっと残念かもです。なんというか、腹心の侍女はそれでいいの?とか何点かひっかかっちゃうところがありまして。でも物語の雰囲気は好きで……、ということで、次回作にも期待です。

imgアーレイティカの剣闘士と女神姫
相羽鈴/凱王安也子
集英社コバルト文庫(2010.08)
bk1/amazon

References

1 サブタイトルにこう書いてあるけど長かったからこの記事のタイトルには書かず