なりゆき斎王の入内~この婚姻、陰謀なりけり~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

会ったこともない父の命令で斎宮として伊勢で過ごしていた塔子だが、父の失脚と死去に伴い京に向かい、東宮妃候補として出仕する事になってしまう。都から遠く離れた熊野育った塔子は、生まれ育った熊野に戻るため東宮の不興を買うという戦略をとることにするが、滞り無く東宮に嫌われるために父の巻き込まれたという陰謀の真相を探ることになる。

予想通りの展開でニヤッと。

小田さんのビーズログ新作は、前作と打ってかわって和モノ平安な一冊。コバルトのシリーズとは違ってビーズログではちょっと軽めでいくのかな、という感じの、ヒロインの元気さがなかなか楽しい一冊でした。小田さんらしいぴりっとした陰謀の顛末と、そしてヒロインの若干型から外れた元気なところがなかなか爽快でした。

大好きな叔父が残る熊野に帰りたい古代オタクの塔子と、塔子を手助けしてくれる武官の暁のやりとりのあれこれがほっこりとして面白かったです。いろいろ良くない噂がある東宮様に関しては、予想通り(少女小説をそれなりに読み込んでいくと自然に導かれる結論)なので、その予想通りのアレコレをどう落ち着けるのかが気になりますねぇ。だって、あんなところでおわっちゃうなんて!一年程度の猶予があるとしても、彼の人はどうやって塔子にアプローチをするのか、余裕綽々の叔父上に対してどう対抗していくのか、ちょっと楽しみなんですが、もちろん続き、ありますよね。

なりゆき斎王の入内~この婚姻、陰謀なりけり~
小田菜摘/凪かすみ
ビーズログ文庫(2014.04)
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